外資系日本法人において、日本と海外の会計基準や業務プロセスにおけるGAPの洗出し、およびGAPに対する対応方針の検討を実施
事例紹介Works
【事例紹介】
SAP(FI/CO)ロールインプロジェクト
グローバルプロジェクト
プロジェクト課題、背景
外資系損害保険会社の現地法人であるクライアントは、従来、ホスト系システムとAccess/Excelを活用して会計情報を管理し、本国への決算報告を実施していましたが、日本におけるビジネスが拡大した結果、Access/Excelによる運用が限界に近づきつつありました。また、統制上の観点からも、現在の運用を監査法人から”問題がある”と指摘されている状況でした。
グループ全体としては、各国の会計システムをSAPで一元化し、会計情報の統合を目指しており、日本以外の多くの拠点では既にSAPの導入が完了し、グループ報告もSAPが利用されていました。日本法人であるクライアントについても同様にSAPをロールインすることとなり、本プロジェクトが立ち上がりました。
提案、進め方
- まず、ロールインするシステムが前提とする会計処理、組織構造、業務プロセスを海外のチームから情報収集し、日本と海外の会計基準および業務プロセスのGAPの洗い出しを行います。
この分析にあたっては、システムの基本的なコンセプトを理解することが重要です。 - 海外からのロールインの場合、日本独自の商慣行や法律に基づく要件でないかいぎり、機能に改修を入れることは認められない場合が多いため、GAPに対する対応方針を定めます。特に業務運用については、海外のプロセスに合わせるという導入方針をトップマネジメントレベルで了承してもらい、関係者への啓蒙活動を丁寧に行うことが重要です。
効果
- 正確性・効率性の向上
- 従来は、IFRSやJGAAPなど複数の会計基準毎にそれぞれ会計帳簿を作成しており、整合性のチェック等に相当の時間を割かれていましが、帳簿が一元化されたことにより、不整合を未然にチェックすることが可能となりました。また、SAPの固定資産管理により、各会計基準による償却計算が自動化されたことで、償却計算に要する負荷の軽減と正確性の向上を図ることができました。
- 統制の強化
- 経理承認を経た伝票のみが会計システムに反映されるようになるなど、統制プロセスが強化されました。また、グループ内で既に稼働実績があるシステムをロールインしたため、システム監査に割かれる工数が削減されました。