デジタル活用推進のポイント

はじめに（今なぜ企業においてデジタル活用が求められるのか）
ゴールデンウィークに、福澤諭吉の「福翁自伝」を久しぶりに読んだ。福澤が生きた幕末～明治維新は、まさに激動の時代であり、世の中を支配していた封建制度が崩壊し、西洋文化・技術・制度の積極的な採用・取り込みが行われた。300年以上続いた身分制度が崩壊し、価値観が大きく変化する中で、信ずる道を泰然と突き進んだ福澤の意志の強さ、行動力に改めて感心した。

まさに現在も、幕末～明治維新クラスの社会・経済の大きな転換点に来ていると筆者は考える。その一つがデジタル技術及びデジタル化社会の進展である。RPA 、AI、５G、IoTといったデジタル技術が急速に進化している。また、GAFA をはじめとするプラットフォーマーが出現し、知らない間に我々の生活の奥深くまで浸透し、我々のありとあらゆるデータが蓄積され、活用され、巨大なビジネスが生まれている。

また、コロナウィルス感染症対策として、世界中で長期間のロックダウンや緊急事態宣言下での行動制約を強いられた。仕事面では、デジタル技術をベースとしたテレワークで業務を遂行したり、日々の生活でも、ネットショッピングを利用したりする機会も増えた。日本においては、緊急事態宣言が解除されたが、Withコロナ、Afterコロナと言われる「新日常」が生まれることは間違いない。各企業がこれからを生き抜くためには、業界を問わず、この「新日常」に合わせた商品・サービスの提供、新しい働き方を実現するためのインフラ整備等を行う必要がある。そのイネーブラーの一つがデジタルであり、如何にデジタルを活用し、新たなビジネスを創出できるか、顧客とより繋がることができるか、業務をより効率化できるか、が求められている。

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